第23代 松永至央

70過ぎのレーザーセーリングライフ

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70才オーバーのフルハイク

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大山をバックに豪快セーリング(私ではありませんが)

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遠征の帰りのフェリーはレーザーで満杯

愛知県在住の1971年(S46船舶)リュウザン@松永と申します。今回寄稿するにあたり、昨年の“しぶき会エーゲ海遠征クルージング報告”にするべきか迷いましたが、前回の“しぶき会70周年”の時に寄稿を依頼されましたが、時間の都合でできなかった、今私がどっぷり浸かっているレーザーセーリングライフについてレポートしたいと思います。

私も現役の時は470(ほんとの導入時)に乗っており、多くのインカレセーラーと同じく、広島を離れた時点で、疑問なくディンギーからは基本的にはなれて40年間を過ごしました。そして60才を迎え、子育ても終え、ローンも終え、一息ついたときに浜名湖でディンギー(主にシーホッパー)のクラブに偶然に出会い、遊んでるうちにディンギーレースに目覚め、5年後、埃にまみれたレーザーを手に入れ(しぶき会同期のヤスジ君より)、それからはどっぷりと浜名湖を基点にでレーザーセーリングライフを楽しんでいます。

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“ケアハウス”浜名湖での出艇前 マッタリタイム

さてレーザーですが現在世界で一番普及している一枚帆のひとり乗りのヨットで、リグの大きさで STANDARD現在名ILCA7クラス(男子オリンピック・国体使用艇)、RADIAL現在名ILCA6クラス(女子オリンピック・国体使用艇)、4・7現在名ILCA4クラスの3クラスがあり、日本では日本人の体格にあったRADIALクラスが盛んで私もこのリグで楽しんでいます。RADIALクラスのレースではクラス別に、下は中学生、上は80才、性別を問わずハンディなしで30艇~70艇のフリートでレースをします。職業も、学生、会社員、自営業者、医者、教師、農業従事者、主婦、年金受給者、漁業従事者等 千差万別です。また我々マスターズセーラーには年齢別カテゴリーもあり、Legend~75才、Great Grand Master~65才、Grand Master~55才、Master~45才、APprentice~30才がありその中での賞のあるレースもあります。この中でも今は私の所属するGGM,そしてGMが多数を占め高齢化しています。高校生・中学生セーラーを除けば、40・50才台は若手、決して70才オーバーの私が特別でもありません

公認のレーザーレガッタは 北は北海道、南は九州までの水域で年間20レガッタ近くあり、私は7~10レガッタ/年 程度を楽しんでいます。基本はカートップでレーザーを積んで、私たち時間に余裕がある爺セーラーは前日にハーバーに到着し、車中泊で他のレーザー乗りと勝手に前夜祭を、そしてレース初日の晩は地元フリート主催のレセプションと、レーザー仲間との“生存確認会”を楽しむことが御約束になっています。もちろんレースもいろいろな海面を楽しめ、屈斜路湖は出艇ビーチを掘れば温泉が出てくるし、猪苗代湖は、怖いくらい水が澄んでいるし、境港は大山を望みながら、艇が隠れるほどの日本海の大波を経験できる等いろいろの海域でのスリルとサスペンスも体験できます。そして厳しいコンディションの中 戻った時の順位に関係ない達成感・連帯感はまた格別です。そしてもう一つの楽しみは、艇をカートップしたままその地方の観光をする(仲間内では徘徊と呼ぶ)ことです。今年の四月は、別府でレースがあり妻の要望もありフェリー往復2泊、佐世保、長崎、阿蘇で各一泊、そして別府でレースを兼ね4泊の計10日の旅程を楽しみ、5月には、芦屋にてのレースの折に関西しぶき会の方々と久々の深酒を楽しみました。遠征先やその道すがら、しぶき会の人たちや、同級生等の知人に会って旧交を温めるのも楽しみの一つです。先輩・後輩の人たちとの交流は、話は尽きなく時間をタイムスリップして過ごすことができます。今回のHUYC 75周年記念式典では、残念ですが、コロナ前より計画していた、”陸奥湾セーリング&ねぶたで跳ねる会”に参加していると思います。

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境港でしぶき会の有名人と

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西宮で関西しぶき会のメンバーと

我が家では、テレビの前で粗大ゴミと化すよりはセーリングに出かける方がましと思っているようで、理解?してもらっていると思います。40年ぶりのディンギーセーラーにとって、はじめは乗り越えなければならない壁がいろいろありました。まずは名称が違う、タックロープ→カニンガム、ブームジャッキ→バング、クルーロープ→アウトホウル等で戸惑い、海上に出ればまず直ぐにチンする、起こせない、這い上がれない。遊びでフリートレースに参加すると、1レースでエネルギーなくなる等の状態からの出発でした。ただそれがモチベーションになり、早くマストトップの黒球を外したい、レースを完走したいとなりトレーニングに励めるようになりました。今ではそれらをある程度は克服しそれなり楽しめるようになりましたが、そうするとすぐに次なる課題が見つかり、バイザリー、ロールタック、ロールジャイブ、スネーキング、そしてチューニング、艤装とやりたいことがつぎつぎ見つかり、出来る事、出来ないことはありますが70過ぎでも次の目標にチャレンジしています。ヒールコントロールとシートトリミングが旨く行き、サーフィングしながら前の波を旨く追い越した時は快感です。それは私だけではなく、他の人とかも同じで、レース後ハーバーに戻ると、ビール片手にボートハンドリング、セールトリムとかレース海面とかの情報交換会が常です。またそれも共通の話題で盛り上がれて楽しい。、

しぶき会の皆さんならば、学生の時に身に着けたセーリングと言う”言葉”をいかして、ハーバーに行けばすぐにでも仲間に加われると思います。 レーザーはどんな場所でも基本的に1時間も移動すれば必ずレーザーフリートがあるはずです。さあもう一度ウェットを着て、ハイクアウトをして、スプレーを浴びましょう。

今の私はあと何年続けられるかわかりませんが “NO LASER ! NO LIFE!