第75代 前田月里

しぶき杯

3月春の暖かい日差しの中、今年もしぶき杯が始まりました。毎年恒例の行事とはいえ、私たち当時の一年生にとっては特別に感慨深い気持ちもありました。
 私たちが高校受験の頃、コロナ感染症が発生し、すぐに日本にも広がりました。高校は、入学式こそ行われたものの翌日より自宅待機となり、プリントにより自習が始まりました。そのまま、コロナパンデミックは続き、運動会、文化祭、球技大会など楽しみにしていた行事も中止となり、部活動も停止のままでした。先生が「英単語暗記大会をします。賞品も用意したよ」とおっしゃったとき、生徒からは「おおっ!」と歓声が上がり、ワクワクしている自分に、自分自身でビックリしました。英単語暗記大会ですら、楽しみになるくらい何にもない高校時代が3年間続きました。だからこそ、青空の下、すがすがしい風を感じて仲間と一緒に、しぶき杯でセーリングができることが幸せに感じられました。
 しぶき杯はハンザをお借りして毎年行われます。この艇はスナイプや470より小さいですが、重く安定感があります。舵のしくみも異なり、ゴーカートのようなおもしろさがあります。ただ風や波や潮の流れに影響を受けることは変わらず、セールトリムも同じでセーリングの楽しさはそのままでした。風は1~5ノットぐらいで、微風の中で、2日間で10レースもすることができました。同期8人でお祭り感もありながら、レースの緊張感、楽しさも味わえました。運営や準備をしてくださった先輩方、ご協力いただいたOBの方々本当にありがとうございました。今後は、中国インカレ、全日本インカレに向けて部員全員で一丸となって練習していきたいです。私は、日々の練習で少しずつ成長してチームに少しでも貢献できるようになりたいと考えています。これからも広島大学体育会ヨット部の応援どうかよろしくお願いします。