第71代主将 因幡健太

このたび、広島大学体育会ヨット部の創立75周年を迎えられましたことを、心よりお慶び申し上げます。 コロナ禍という荒波を乗り越え、この節目を迎えられたことに、深い敬意と感謝の念を表します。
私たちは1年生の3月から3年間、コロナ禍の波に翻弄されながらヨットに向き合ってきました。海上練習が禁止された期間は、座学で理論を学んだり、オンラインでトレーニングしたりして、限られた環境の中で努力を続けました。
また、海上練習が再開された後も、時間制限や宿泊の禁止等大きな制限を受ける中、長期休み期間中はハーバーと家を週5回往復することを躊躇せず、部員1人1人が課題や目的を明確に持ち練習に取り組みました。
幹部就任後は次第にコロナウイルスによる活動制限が緩和され、普段通りの部活動に近づく中、ハード・ソフト両面を整備しました。ハード面では、しぶき会や広島大学の支援を受け、470級新艇1艇や両クラスのセール、ライフジャケット約10着、マスト3本を購入し、練習環境を大幅に改善、ソフト面では、練習レベル向上のため、積極的に社会人セーラーを練習に招き、技術指導を受けました。また、オリンピックセーラーによるオンラインコーチングを広島大学ヨット部のためだけに実施してもらい、個々の課題克服に繋げました。全日本インカレでは目標を達成できなかったものの、中国インカレでの両クラス表彰台の独占や、全日本470でのゴールドフリートの出場など広島大学ヨット部にとっても快挙となる結果を残すことができました。
引退から1年以上経った現在、年代の近いOB・OGとの交流は続いており、互いに支え合う関係を築いています。今後はしぶき会の一員として積極的にイベント企画やレース運営に携わり、現役学生の活動を支援していきたいと思います。また、OB・OGネットワークを活用して、就職活動や社会人生活に関するアドバイスも行い、学生たちの成長に貢献していきたいと考えております。
現役の皆様はヨット部生活を結果だけに拘らず、有意義な時間にしてください。恐らくオリンピックに出場するために広島大学ヨット部に入部した人はいないと思います。今は全日本インカレ総合入賞という目標に向かって練習に取り組んでいると思いますが、「目標」とは「目的」を達成するための過程にたてられるものです。先ほども述べたように皆さんの「目的」はオリンピックに出場することではないと思います。ヨット部で生活する上での「目的」とは個人により異なり、またタイミングによって変わっていくものだと私は考えています。全日本インカレ総合入賞という「目標」の先にどのような「目的」があるのかぜひ一度考えてみてください。
最後になりますが、これまでのご支援への感謝と広島大学体育会ヨット部のさらなる発展及びOB・現役メンバーの活躍を祈念して、お祝いの言葉といたします。