しぶき会会長 柚木 衛
創部75周年を迎えて
1949年9月、広島大学開学と同時期に発足した広島大学体育会ヨット部は、今年で75周年を迎えることになりました。
私自身、1958年(昭和33年・10代)入学・入部であり、顧みると、庭田(初代)さんが道を開き、渡辺(3代)さんや、山本(6代)さん、河田(8代)さん、皆川(9代)さんらの努力があって、その流れを後に続けている面もあり、過去の歴史や教訓を受け継いでいるバトンのようなものだと思っています。諸先輩が築いてきた歴史があって自分がいま生かされており、先人たちが築いたものを次の世代に受け継いでいかなければならない責務を犇々と感じます。
75年の歴史には、山あり谷あり、凪あり嵐あり順風ありといろいろありましたが、特に広島大学、中国学連の仲間たち、ヨット関係各位のご指導ご支援により大過なくこの日を迎えられたことを心から感謝しお礼を申し上げます。
我がヨット部は、創部以来無事故でこの日を迎えることができました。
セーリング競技は自然を相手の海洋スポーツです。練習や競技中の安全確保は特に重要であり、先輩から後輩へ引き継がれてきた伝統的な指導体制を今後も継続していかなければなりません。
ヨット部にとっての目標は全日本インカレ制覇です。
インカレでは6位入賞までが歴史に名前が残ります。
昭和38年(1963年)第28回大会(福岡県志賀ノ島・山岡主将)創部以来念願の初入賞・総合3位を果たしインカレの歴史に初登場となりました。
昭和46年(1971年)第36回大会(愛知県常滑・伊木主将)スナイプ級初優勝、そして470級の準優勝3連続などを経て、昭和54年第44回大会(宮城県仙台七ヶ浜・藤井主将)初の総合全国制覇を成し遂げるなど栄光の時代がありました。
昭和57年(1982年)第47回大会(滋賀県彦根・松本主将)の総合4位入賞を最後に、平成の時代に入賞は無く長らく低迷の時代は続きました。
平成29年(2017年)インカレ出場枠の改正が行われ、中国水域固定枠は2→1、変動枠として6枠(インカレ本大会での上位入賞チーム枠・水域制限2チームまで)、総出場枠は変わらず24枠となり水域予選が厳しくなったのはご案内の通りです。
令和元年(2019年)第84回大会(兵庫県西宮・光安主将)スナイプ級が37年振りに6位入賞し次年度枠+1を確保、歴史に名前を刻みました。
昨年の令和5年(2023年)第88回大会(福岡県小戸・平田主将)ではスナイプ級7位ながらも次年度枠+1を確保(関東水域が上位3チームだったため)し、今年度の第89回大会(神奈川県・江ノ島)にはスナイプ級中国水域枠は2枠となります。江の島インカレでの広大ヨット部の快走に、OB各位の応援・支援・参集を期待します。
ヨット部活動における備品整備、新艇建造、遠征等の経費負担は相当なものがあります。各代代創意工夫を重ね、強豪校に伍して戦ってきたのは周知のとおりです。過去と「同じ負け方」「同じ失敗」を繰り返していては進歩がない。勝利には、何が効果的で何が合理的か、常に考えながらの行動が望まれます。現役・OB一丸となって、創意工夫・叡智を結集しての行動が勝利への道標となると確信するものです。
現在、しぶき会会員数は約400名ですが、現役、支援(しぶき会費、インカレ支援、新艇建造支援等)にご理解を頂いている数は、5割に満ちません。魅力ある人間関係、魅力あるクラブ活動が必須条件だと思いますが「若いOBの参加意欲をいかにして引きだすか?」等画期的な打開策が必要です。「人、物、心が揃ってこそ勝利が有る!」
広島大学ヨット部の艇庫に「翩翻と翻る」インカレチャンピオンフラッグを信じて、広島大学体育会ヨット部の永遠の発展を祈念し、しぶき会会員は心を一つにして応援しようではありませんか。
最後に、大学関係・学連関係・ヨット関係の皆様、今後共温かいご指導、ご支援、ご鞭撻次年度枠+1を確保、を心よりお願い申し上げます。
2024年7月1日 記